欧州宇宙機関がCloudSigmaで実現する地震と火山の危険分析

欧州宇宙機関(ESA:European Space Agency) 様


ESA RSS(Research and Service Support)は、欧州宇宙機関(ESA:European Space Agency)が提供する研究サービスサポートです。ESAは、欧州各国が共同で設立した宇宙開発研究機関。同機関では、欧州における宇宙研究の発展を目指すと共に、宇宙への投資が欧州市民および世界中の人々に役立つよう取り組んでいます。


ESA RSSでは、地球観測データが活用できるリソースを提供しています。さまざまなプラットフォームや環境を用意し、ユーザーのアルゴリズムをデータに近づけることで、データへのアクセスやデータ処理を容易にしているのです。また、地球観測データから付加価値情報を生み出すような新たなアプリケーションやサービスの開発も支援しています。

CloudSigmaを採用したことで、ESA RSSでは地球観測データのユーザーに優れたパフォーマンスと可用性が提供できるようになりました。CloudSigmaとの協力関係も高く評価しており、サポートが必要な時には迅速に対応してもらえるといいます。今後もESA RSSはCloudSigmaでサービスを拡張する予定です。

ESA 地球観測研究サポート担当 リードエンジニアのジョバンニ・サバティーノ(Giovanni Sabatino)氏は、「ライブチャットが非常に便利ですね。すぐに返事が返って来ますから。対応が早くて、ユーザーとして非常に良い印象を受けます。 常に誰かがそこにいて対応してくれるような感覚です」と述べています。

ESA RSSの抱えていた課題とは

国際機関であるESAにおいて、RSSの主な目的はお客様に信頼性とパフォーマンスの高いサービスを提供することです。同機関のエンドユーザーとなるのは、大学やリサーチセンターの研究者をはじめ、サービスプロバイダー、公共機関、中小企業など多岐にわたります。

「最初に行き詰まったのはサービスの統合です。ウェブポータルインターフェースのようなものが必要だったのですが、そのインターフェースのエンジンには、 APIを介してクラウドプロバイダーのインフラと通信できるものが必要でした」とサバティーノ氏は語ります。「概念実証中にテスト計画を定義してテストを 実行し、すべてのテストに合格しなくてはなりませんでした」

さまざまなワークロードや処理を管理するにあたり、ESA RSSではCloudSigmaを採用し、幅広いユーザーの要件に対応することにしました。この戦略的決定により、同機関では開発とサポートという本来の事業に注力できるようになり、運用に時間を取られることもなくなりました。

「システム管理の作業が削減でき、アプリケーションやアルゴリズムの開発、そしてユーザーサポートに集中できるようになったことが大きなメリットです」と、サバティーノ氏は述べています。

CloudSigmaの柔軟なリソースを活用

現在ESA RSSでは、CloudSigmaの演算能力とクラスタストレージ内の衛星データを活用し、地球観測データのユーザーに仮想環境を提供しています。この仮想環境にて、ユーザーはアルゴリズムの開発やプロセスのデプロイができるのです。こうして同機関では、研究者やサービスプロバイダーの研究を加速させ、時間やコストが削減できるよう支援しています。

「ESAのデータアーカイブ量は膨大で、増加の一途をたどっているため、大量のハイパフォーマンスストレージが必要となります。CloudSigmaには、パフォーマンスとコスト効率の高いストレージからSSDストレージまで、さまざまなストレージの選択肢が用意されており、すべてが柔軟性の高いオンデマンド対応となっています」とサバティーノ氏。こうした幅広い選択肢により、ESAは迅速にコスト効率の高いプラットフォームが展開でき、地球観測データを駆使して地震や火山などの危険から生命と資産を保護するという目標に向かって進むことができるとしています。(ESA 地球観測研究サポート担当 リードエンジニア、ジョバンニ・サバティーノ(Giovanni Sabatino)氏)

CloudSigmaのスケールアウト型のマグネティックストレージにより、ESA RSSでは柔軟でコスト効率の高いストレージを必要に応じたパフォーマンスと規模で展開できるようになりました。同ストレージ上でESA RSSは分析を行い、衛星データや演算結果を保管しています。

詳しく説明すると、ESA RSSではCloud Toolboxサービスを提供しており、CloudSigma上にホストされているマシンをカスタム化してユーザーに提供、そこで開発や分析、処理ができるようにしています。Cloud Toolbox仮想マシンにはソフトウェアがあらかじめインストールされているほか、ユーザーの要望に応じて新たなソフトウェアをインストールすることも可能です。

「柔軟性の高さがユーザーにとって一番のメリットで、必要に応じてメモリやCPU、ディスク容量が調整できます。また、クラウドサービスならではのメリッ トとして、世界中どこからでもCloud Toolboxにアクセスできることも挙げられます」とサバティーノ氏は語ります。

CloudSigmaの採用に至るまで、ESA RSSではさまざまなクラウドプロバイダーを比較検討してきました。アプリケーションの互換性、パフォーマンス、カスタマーサービス、AIPの機能性、管理ツールなどを評価した結果、CloudSigmaが最も信頼性と柔軟性に優れたサービスだと判断したのです。

「サービスを比較した際、特にCloudSigmaの強みとして感じたのは、ウェブのインターフェースと、テンプレートを作成して多数のマシンにデプロイできること、そしてサポートの対応の良さでした」とサバティーノ氏は述べています。

CloudSigmaでサービス品質の向上を実現

CloudSigmaを採用して以来、ESA RSSの提供するサービスの品質は高まりました。CloudSigmaの協力の下、ESA RSSはクラウドサービスを成長させており、今後も拡張する予定です。ESA RSSでは、CloudSigmaを信頼できるクラウドパートナーと捉えており、他社にも自信を持って推薦できるとしています。

「CloudSigmaはインフラのユーザビリティが高く、サポートも優れています。もちろん、仮想マシンの可用性も高く、多くの企業に勧めることのできるサービスです」とサバティーノ氏。「CloudSigmaのおかげで、仮想マシンがPCにインストールされているような感覚になります。 CloudSigmaを採用して正解でした」

ESA RSSでは、CloudSigmaのサービスや協力体制に非常に満足しており、同機関にとってCloudSigmaが最適だったとしています。このことから、ESA RSSではCloudSigmaを市場における最も優れたクラウドプロバイダーのひとつだと評しています。

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