フリーダイヤルの導入に料金比較は欠かせない! 安い0120電話会社選びや活用のポイントも解説

フリーダイヤルを提供している事業者は複数あり、料金やプランにも違いがあります。フリーダイヤルの導入にあたっては、自社のニーズに適しているかどうかも含めて比較が重要です。
この記事では、フリーダイヤルを安く導入するための電話会社の比較やクラウドPBXの利用などフリーダイヤル活用のポイントについて解説します。
フリーダイヤルの料金体系

事業者によって異なる料金の比較には、フリーダイヤルの基本的な料金体系の知識が欠かせません。フリーダイヤルの導入・運用で必要になる料金、コストには以下に示す種類があります。
初期費用
フリーダイヤルの契約時に必要となる導入コストが初期費用です。フリーダイヤル自体の利用には、これといって自社で準備が必要な設備やソフトがありません。そのため、初期費用としてかかるのは主に工事費の類です。工事といってもサービス番号設定工事費や着信電話番号設定工事費(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社の場合 ※以下、「NTTコミュニケーションズ」と記します)のようにフリーダイヤルサービスを提供する事業者内部で完結する作業であり、自社のオフィスなど現地での工事は基本的に発生しません。したがって、金額的にも大きなものではないといえます。
月額基本料金
フリーダイヤルの運用を開始するとランニングコストが発生します。毎月変わらない定額料金として、フリーダイヤル番号ごとの基本料金または契約回線ごとの基本料金が必要です。複数のフリーダイヤル番号を運用したり、契約回線の数が増えたりするとトータルの料金もアップします。
通話料金
通話料金は従量制で課金されるランニングコストです。通話相手の電話種別と通話時間に応じた通話料金が発生します。電話種別には固定電話と携帯電話、公衆電話があり、通話時間による通話料金は1分いくら、3分いくらといった単位で課金されるケースが一般的です。3分に満たない通話時間でも3分の料金が発生するなど、不利な面があるのは否めません。
そこで注目されているのが秒課金に対応したフリーダイヤルサービスです。秒課金であれば、1秒単位で実際に通話した時間分の料金を支払えば済むため、フリーダイヤルのコストを大幅に抑える効果があります。
オプション利用料金
フリーダイヤルをより活用するために、基本サービスにプラスして利用できるのが各種オプションサービスです。オプションサービスには無料で使えるものもありますが、料金がかかるものもあります。
ユニバーサルサービス料等
フリーダイヤルにもユニバーサルサービス料や電話リレーサービス料がかかります。金額的には小さいものの、立派なコストの一種です。
フリーダイヤルの利用には紐付ける固定電話の料金が必要

フリーダイヤルは特定の電話回線に付与された番号ではありません。フリーダイヤルの利用には紐付ける固定電話が必要であり、当該固定電話にかかる料金が必要になります。
フリーダイヤルサービスは着信課金電話番号サービスと呼ばれているように、通常の固定電話回線へ架電した際の通話料を、着信側の負担とするためのサービスです。フリーダイヤル番号として設定された10桁または11桁の電話番号で架電すると、紐付けた固定電話に着信します。その際の通話料金は自動的に着信側の負担となるため、架電する側も受ける側も余計な手間がかかりません。
紐付ける固定電話とフリーダイヤルが同じ事業者でなければならないということはありませんが、通常は別々にするメリットもないため、同じ業者にしておくほうが無難といえます。
着信側負担といえばコレクトコールというサービスも存在していましたが、コレクトコールは架電する側が都度申し込み、着信側の了解が必要となるサービスでした。フリーダイヤルとはまったく異なります。
フリーダイヤルには0120と0800がある

2025年5月現在、フリーダイヤル番号には0120と0800で始まる番号があります。
フリーダイヤルといえば0120が有名
1985年のサービス開始以来、長年にわたってフリーダイヤル番号として使用されている0120があまりにも有名なため、フリーダイヤルといえば0120だと思い込んでいる人もいるようです。0120以外のフリーダイヤル番号はないという思い込みです。しかし、フリーダイヤルには0120以外に0800で始まる番号もあります。
0120は後ろに6桁の数字が続く10桁の番号ですが、0800は7桁の数字が続く11桁の番号です。長いサービスの歴史で0120番号の不足が問題となり、0800が割り当てられた経緯があります。0800が11桁になっていることから、番号が足りなくなる心配はなさそうです。ただ、0800は0120ほど浸透していないため、先に述べたようにフリーダイヤルだとは思われないケースもあります。
0120と0800でサービス内容に違いはない
0120と0800とでは番号の桁数の違いや認知度の違いはあるものの、サービス自体は同じものです。料金も基本的には変わりません。特徴としては、0120は過去に他社が使用していた番号が多くなるのに対し、比較的新しい番号である0800は自社が最初の利用者である可能性が高いといえるでしょう。したがって、他社のつもりで架電されて着信し、通話料金が発生してしまうリスクは小さいといえます。また、空き番号が多いことから希望番号を選べる可能性が高い点も0800の特徴です。
フリーダイヤル主要5サービスの料金比較~初期費用・基本料金

フリーダイヤルの主要なサービス5つの料金を比較します。まずは初期費用と基本料金です。
| 事業者/サービスブランド名 | 主な初期費用 | 主な基本料金 |
|---|---|---|
| NTTコミュニケーションズ/ フリーダイヤル | ・サービス番号設定工事費 フリーダイヤル番号ごとに1,100円(税込) ・着信電話番号設定工事費 着信先電話番号ごとに1,100円(税込) | ・プラン1 フリーダイヤル番号ごとに2,200円(税込) ・プラン2 契約回線数ごとに1,100円(税込) |
| KDDI/フリーコール | ・フリーコールS 登録料金1,100円(税込) ・フリーコールDX 登録料金1,100円(税込) | ・フリーコールS 1,100円(税込) ・フリーコールDX 0120は2,200円(税込) 0800は1,650円(税込) |
| ソフトバンク/フリーコールスーパー | 無料 | 1番号につき2,200円(税込) |
| NTT東西/フリーアクセス・ひかりワイド | 1着信課金番号ごとに 基本工事費2,200円(税込)と交換機等工事費1,100円(税込) ※ただし、ひかり電話のオプションサービスのため、ひかり電話の工事費が別途必要 | 1,100円(税込) ※ただし、ひかり電話のオプションサービスのため、ひかり電話の基本料金550円(税込)が必要 |
| 楽天モバイル/フリーボイス | ・基本機能工事費 1番号あたり550円(税込) | ・フリーボイス 2,200円(税込) ・フリーボイスシンプル 990円(税込) ・フリーボイスライト 660円(税込) |
※金額は2025年5月18日時点
フリーダイヤル主要5サービスの料金比較~通話料

続いて通話料の比較です。
| 事業者/サービスブランド名 | 区分別の通話料金(税込) |
|---|---|
| NTTコミュニケーションズ/フリーダイヤル | 固定電話から9.35円/180秒 携帯電話から11円/20秒 公衆電話から33円/60秒 |
| KDDI/フリーコール | ・着信回線がKDDIのIP電話 固定電話から8.8円/180秒 携帯電話から11円/30秒 公衆電話から29.7円/60秒 ・着信回線が他社回線 固定電話から9.35円/180秒 携帯電話から11円/14秒 公衆電話から33円/60秒 |
| ソフトバンク/フリーコールスーパー | バリュープラン ・着信回線がソフトバンク 固定電話から6.6円/180秒 携帯電話から16.5円/60秒 公衆電話から89.1円/180秒 ・着信回線が他社回線 固定電話から8.8円/180秒 携帯電話から22円/60秒 公衆電話から99円/180秒 |
| NTT東西/フリーアクセス・ひかりワイド | 固定電話から8.8円/180秒 携帯電話から17.6円/60秒 ※接続は現4大キャリア 公衆電話から22円/60秒(県内) 公衆電話から33円/60秒(県間) |
| 楽天モバイル/フリーボイス | ・着信がNTT東西の加入回線・ISDN回線(64/1500)・ひかり電話回線 固定電話から7.7円/60秒 携帯電話から22円/60秒 公衆電話から29.7円/60秒 ・着信がIP電話(050) 固定電話から8.8円/180秒 他社直収電話から5.5円/60秒 携帯電話から18.7円/60秒 公衆電話から27.5円/60秒 |
※金額は2025年5月18日時点
ここでは主要5事業者のサービスを取り上げましたが、新しいフリーダイヤルサービスとして注目していただきたいのが株式会社アイ・ピー・エス・プロが提供予定の「フリーフォン」です。秒課金で提供される予定となっています。
オプションサービスの比較もフリーダイヤル活用の重要なポイント

ここでは、フリーダイヤルのオプションサービスについて解説します。
オプションサービスとは
オプションサービスとは、フリーダイヤルを活用するために各社が別途設けている有償もしくは無償のサービスです。たとえば、発信地域や端末種別によるルーティングや用件別の振り分け、時間外案内ガイダンス、話中時の迂回やガイダンスなど、架電してくる顧客対応を万全に行うためのオプションサービスが役に立ちます。また、折り返しの電話を入れる場合など、紐付けている固定電話番号ではなくフリーダイヤル番号を通知することも可能です。
オプションサービスは自社のニーズで選ぶ
フリーダイヤルの導入を決断したとき、どの事業者のサービスを選択するかは慎重に検討する必要があります。単純なコスト比較ではわからない、自社の運用に適したオプションサービスの有無が選択のポイントになる可能性があるためです。
クラウドPBXでコストカットはもうひとつのフリーダイヤル活用ポイント

フリーダイヤルを導入する際に同時に検討したいのがクラウドPBXです。クラウドPBXなら外出中にフリーダイヤルにかかってきた電話であっても、問題なくスマートフォンで受けられるなど、便利で役立つ機能が使えます。クラウドPBXを利用していなければ、コストをかけて転送しなければならないところです。
また、秒課金対応のクラウドPBXを選べば、60秒いくらといった分課金から1秒いくらの秒課金への移行を実現できます。
コストカットだけではないクラウドPBXのメリット

フリーダイヤルでクラウドPBXを活用するメリットはコストカットにとどまりません。
- 導入までの時間が短い
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ベンダーが用意しているクラウド上のシステムを利用するため、導入時の企業負担が少なく短時間での導入が可能です。
- 居場所を選ばず使える
-
クラウドサービスであるため、インターネット環境があればどこにいてもフリーダイヤルを使えます。
- マルチデバイスで使える
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パソコンやタブレット、スマートフォンなどインターネットに接続可能なデバイスであれば、無理なく使用できます。
- スマホの内線化が可能
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スマートフォンを内線化することで、外線通話の料金が不要になるだけでなく、外出先のスマートフォンへの電話の取次が可能になります。また、外出先のスマートフォンでフリーダイヤル番号を使った架電も可能です。
クラウドPBXのベンダーはフリーダイヤルについても詳しいケースが多く、一緒に相談することで、フリーダイヤル導入の課題が解決する可能性もあります。
フリーダイヤルは多様化する社会に必須のサービス

フリーダイヤルは通販やコールセンター業務だけでなく、多様化する社会のさまざまな場面で活用されています。クラウドPBXその他のITソリューションとのマッチングによって、リモートワークなどとの相性もよく、働き方改革やDX推進にも役立つサービスです。将来的にも活用されることが見込まれます。
フリーダイヤルの導入は料金比較とともにクラウドPBXの活用も検討しよう
フリーダイヤルの事業者ごとの料金差は一見すると小さく見えるかもしれません。しかし、長く利用することを考えれば軽視できない差だといえるでしょう。とくに分課金と秒課金では大きな差が生まれます。導入にあたっては料金比較が欠かせません。
秒課金といえばクラウドPBXの活用もおすすめです。フリーダイヤル活用の幅が広がります。フリーダイヤルとクラウドPBXはセットで検討するとよいでしょう。