フリーダイヤルの料金は誰が負担する? 0120で始まる番号を浸透させている仕組みや料金負担を軽くする方法を解説

0120と書かれた白系キューブ

フリーダイヤルの料金は誰が負担しているのかという疑問の声を聞くことがあります。直接的に負担しているのはフリーダイヤルを契約している利用者、企業です。企業が料金を負担してフリーダイヤルを導入する理由は第一に対顧客でのメリットが大きいからだといえるでしょう。

この記事では、フリーダイヤルの料金負担とメリット、負担を軽くする方法などを解説します。

目次

フリーダイヤルの料金は着信課金で負担する

スマホの画面に着信中の文字

一般にフリーダイヤルと呼ばれているサービスは、料金着信払い通話のことです。一般には着信課金電話番号サービスとも呼ばれており、着信側であるフリーダイヤルの契約者が通話料金を負担します。もちろん、契約者がフリーダイヤルで発信した場合の通話料金負担者も契約者です。

フリーダイヤルサービスは、国内でのサービスが終了したコレクトコールとともに、電話はかけた側が通話料金を負担するという仕組みの例外ともいえます。コレクトコールは架電側が都度申し込み、着信側が了解した場合のみ通話可能ですが、フリーダイヤルは初めから着信側である自社が負担する前提で使用するサービスです。

フリーダイヤルの料金負担が着信課金であることによるメリット

お問い合わせの看板を指す人形

わざわざ自社にかかってきた電話の通話料金を負担する着信課金のサービスを利用する以上、フリーダイヤルには料金以上のメリットがあります。

料金を気にしないで電話できる

フリーダイヤルを導入している企業の顧客から見れば、電話料金を気にしないで問い合わせや注文の電話をかけることができます。距離別の通話料が設定されていた当時は、北海道から東京といった遠隔地から問い合わせる際の電話料金は架電を躊躇させることもあったでしょう。

全国一律の料金体系になっても、通話時間で料金計算される従量制は変わらないため、長時間の通話になると料金負担が重くなります。着信課金のフリーダイヤルがあれば、タイムリーな架電が可能です。

集客に役立つ

企業側から見れば、顧客が電話をかけるハードルを下げることで、集客効果を見込めます。単に架電数が多くなるというだけでなく、さまざまな顧客の意見や要望を拾い上げることが可能です。顧客が通話料を負担する場合は、じっくりと説明する時間がとれないケースもあるでしょう。しかし、フリーダイヤルなら顧客は料金を気にすることなく、納得するまで説明を聴いてくれる可能性がアップします。その結果が成約への期待度アップです。

ブランドイメージの向上

フリーダイヤルなら、いつでも料金負担なく電話で必要な情報を得ることができるため、顧客の満足度は上がります。フリーダイヤルは企業に対する好感度、ブランドイメージの向上に役立つサービスです。仮にフリーダイヤルを利用する機会がなかったとしても、0120で始まる番号はフリーダイヤルだとの認知度が高いため、この番号を見た時点で好意的な反応を示す顧客も多いと考えられます。

営業電話に使える

フリーダイヤル番号が営業電話の効果アップに使える点もメリットです。電話営業をかける際、固定電話や携帯電話の番号を使って架電したのでは、折り返し架電する顧客に料金の負担が生じてしまいます。そもそも折り返してもらえないかもしれません。しかし、フリーダイヤル番号を表示させることで、通話料がかからないのならと、折り返し架電してもらえる可能性が生じます。

フリーダイヤルを利用するために負担する費用

費用と書かれた付箋と電卓

フリーダイヤルを利用するための導入費用、運用費用の負担について解説します。

紐付ける電話回線の費用

フリーダイヤルはそれ自体が独立した電話回線をもつものではなく、単なる番号の設定に過ぎません。番号だけあっても回線がなければ着信できないため、紐付ける電話回線が必要です。

フリーダイヤルに紐付けが可能な電話は固定電話、IP電話で、既存の回線であれば新規開設の費用負担はありませんが、フリーダイヤル専用に新しい回線を設ける場合は工事費や基本料金の負担が生じます。

工事費

フリーダイヤルの導入にはサービス提供事業者側での工事が必要です。工事費や登録料などの名称で呼ばれるイニシャルコストの多くは1,000円や2,000円といった金額ですが、複数番号や複数回線を利用する場合は負担が大きくなります。

サービス基本料金

フリーダイヤルのサービスには月額の基本料金がかかります。その多くは工事費と同様に1,000円、2,000円といった金額です。課金はフリーダイヤル番号ごとや契約回線ごとに行われるため、複数利用の場合に負担増となる点も工事費と同様です。

通話料

フリーダイヤルを利用した通話は時間による従量課金のため、通話が長くなれば負担も増える点は前述のとおりです。通話料の負担で忘れてならないのが着信内容にかかわらず料金が発生する点で、間違い電話やいたずら電話、とりとめのない長話など、本来の目的とは異なる内容であっても通話料を負担する必要があります。

オプションサービス費用

フリーダイヤルにプラスできる有料のオプションサービスを利用する場合は、その費用負担が生じます。オプションサービスを利用することでさまざまな状況に対応可能になるため、オプション料金が多くなるケースも少なくないでしょう。

便利で役立つオプションサービスには、カスタマイズしたオリジナルガイダンスや指定先に転送できる話中時迂回、迷惑電話拒否、PCで設定の変更や照会が可能なカスタマーコントロールなどがあります。

ユニバーサルサービス料など

フリーダイヤルにもユニバーサルサービス料、電話リレーサービス料の負担があります。ユニバーサルサービス料とは、最低限不可欠とされる電話サービスの提供にかかるコストの一部を利用者が負担するものです。電話リレーサービス料の制度では、聴覚障害などがある人とそうでない人を電話でつなぐために必要な費用の一部を利用者が負担します。

その他

たとえば、フリーダイヤルにかかってきた電話を携帯で受けたいときは、通常なら転送する必要があり、転送費用の負担が発生します。フリーダイヤルに紐付いている回線は固定電話であるため、そのままでは携帯で受けられません。

フリーダイヤルの通話料金は一般の電話と同じ料金体系

人形から料金プランの吹き出し

フリーダイヤルの通話料金体系は2023年11月の全国一律料金化により、距離や時間帯に関係なく決められています。課金計算は一般の電話、固定電話と同様で何分(何秒)で何円です。また、通話相手の区分として固定電話と携帯電話が分かれている点も同じです。ただし、固定電話は国際電話やIP電話の区分があるのに対し、フリーダイヤルは着信課金であることから、固定電話と携帯電話に加え、公衆電話の区分があります。

以下はエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社の例です。

発信元通話料金(税込)
一般回線など固定端末9.35円/180秒
携帯電話(含む衛星携帯・自動車電話・衛星船舶電話)11円/20秒
公衆電話33円/60秒

導入時にフリーダイヤルの料金負担を軽くする方法

COSTDOWNと書かれたキューブと下向き矢印

フリーダイヤルでは間違い電話などによる、無駄な通話料金が発生しやすい点は前述の通りです。そうでなくても着信課金で料金の負担には神経質になりがちともいえるでしょう。必要なコスト負担ならともかく、抑えられる部分はしっかりと抑えることが重要です。ここでは、フリーダイヤル導入時にできる料金負担軽減の代表的な方法について解説します。

サービスの比較を行う

フリーダイヤルサービスは名称は異なるものの、複数の事業者がサービスを提供しており、料金にも差があります。この程度の金額差なら気にしないというのではなく、しっかり比較してより安いサービスを選ぶことを考えましょう。

自社にマッチするプランを選ぶ

自社にマッチするプランを選ぶことで、無駄な料金負担を減らすことができます。

絶対的な金額を比較して高い安いと判断することも重要ですが、相対的な負担の軽重も重要です。サービスの割に高い、安いという違いがあるかもしれません。また、これだけのサービス内容なら高くても仕方ないと思えるケースでも、自社にとっての価値を考える必要があります。「自社にマッチしたプランで他社と比較しても高いとは感じない」なら、適正な負担といえるでしょう。

フリーダイヤルと紐付ける固定電話を同じ事業者にする

フリーダイヤルを導入する際、フリーダイヤル自体はB社、紐付ける固定電話がA社という異なる事業者の組み合わせでの利用も可能です。とはいえ、一般的に事業者が異なっても料金面でのメリットは考えにくいどころか、割高になる可能性があります。

具体的には、着信先として紐付けている回線が他社回線の場合、通話料を高く設定している事業者があるなどです。他にメリットがあれば別ですが、なければ同じ事業者にしておくほうがコストを抑えることができ、手続き面も含めて無難といえるでしょう。

フリーダイヤルの導入時のコスト対策、事業者選びといえば、サービス開始が予定されている「フリーフォン(株式会社アイ・ピー・エス・プロ)」。フリーフォンは通話料を大幅に抑える秒課金で提供予定です。

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オプションを活用したフリーダイヤルの料金負担軽減策

×印の札を持ち指さす女性

フリーダイヤルに用意されているオプションサービスを活用した代表的な料金負担軽減策を紹介します。

スマホからの着信拒否

前記NTTコミュニケーションズの通話料金でわかるように、携帯電話の区分は一般の固定電話からの着信とは1桁違う高額ぶりです。通話料が高い携帯、スマートフォンは発信端末拒否機能を使って着信させなくします。

フリーダイヤルの通話料に携帯電話の区分があるにもかかわらず、0120や0800で始まる番号にスマートフォンから架電したらつながらなかったというケースに遭遇した人は少なくありません。携帯拒否は珍しくない料金負担軽減策ですが、確固たる地位を築いている企業でなければ、顧客満足度などの観点から逆効果になってしまう懸念もあります。

自動音声案内の活用

自動音声案内を活用することで、通話時間の短縮による料金負担の軽減に加え、オペレーターのコスト削減にも役立ちます。

迷惑電話対策オプション

迷惑電話対策オプションの利用で、無駄な時間や手間をかけることを防ぎます。拒否ガイダンスが流れる間は通話料が発生しないため、自社にも相手にも金銭的な負担がありません。ただし、この種のオプション料金は比較的高めといえるため、コストパフォーマンスを考える必要がありそうです。

クラウドPBXでフリーダイヤルを強化する

外出先でスマホで通話するビジネスウーマン

クラウドPBXを用いることで、フリーダイヤルの料金負担を軽くすると同時にフリーダイヤル環境を強化できます。

クラウドPBXはインターネット環境のPBX

クラウドPBXはインターネット環境でクラウド上にベンダーが構築したPBXサービスです。オンプレミス型とは異なりハード・ソフトのインフラ整備が不要で初期費用を抑えられるとともに、導入までの期間が短い特徴があります。また、サブスクリプション型サービスで月々のコストを抑えた利用が可能です。通話の録音機能を使えば、さまざまな事態に対処できます。

スマホがあればどこでも対応可能

アプリを入れたスマートフォンがあれば、オフィス内でも外出先でもタイムリーにフリーダイヤルを運用できます。スマートフォンを内線化することで外線の通話料をカットでき、他のメンバーに電話を回すことも可能です。どこにいても使えるため、オフィスの留守番リソースが要らなくなります。

秒課金でさらに安く使える

クラウドPBXの秒課金なら分単位への切り上げがないため、そもそも安い通話料をさらに抑えることが可能です。

リモートワークやBCP対策にも役立つ

クラウドPBXでフリーダイヤルを活用すれば、コールセンターのリモートワーク化や大規模災害時のBCP対策にも役立ちます。

フリーダイヤル強化に使えるクラウドPBXなら、「LIPSE Cloud PBX」がおすすめです。

フリーダイヤルをうまく活用して料金負担を適正化しよう

フリーダイヤルは通話料を自社が負担することで顧客からの架電を促す効果があるサービスです。集客が捗れば、料金負担は気にならないかもしれません。とはいえ、コストカットは優先度トップといっても過言ではないでしょう。オプションやクラウドPBXを含め、うまく活用することで料金負担を適正化しましょう。

参考文献・エビデンス

「0120番号の印象」のメリット

「0120番号は認知度が高く、番号を見た段階で好意的な印象を与える」これは、フレーミング効果やナッジ理論を裏付けとして表現しています。
「情報の見せ方や文脈により、人の印象は大きく変化する。“フリーダイヤル番号”は親しみや信頼を感じさせる要素となる」
セイラー, R. H., サンスティーン, C. R.『実践 行動経済学 ナッジ!』日経BP, 2009, p.54
0120番号を提示することが「企業に対する信頼や好印象を誘導する」ということを現しています。

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