法人向け固定電話にかけ放題サービスはある? CTIやクラウドPBXによる実現方法とは

紺色の固定電話と植物

スマホが普及した現代においても、多くの企業はオフィスに固定電話を導入しています。法人が用いる固定電話は、スマホのように「かけ放題」で利用できるのでしょうか。

この記事では、法人向け固定電話のかけ放題サービスについて詳しく解説します。また、CTI(コールセンターシステム)やクラウドPBXによるかけ放題の実現方法も紹介します。

目次

法人向け固定電話で「かけ放題」は可能か

「Yes」と「No」と書かれた黒板

2025年4月時点で、法人向け固定電話でスマホと同じようなかけ放題サービスを提供している通信事業者はありません。固定電話のかけ放題サービスは、「同一サービスの光電話同士の通話のみかけ放題」という制限があるパターンが多数を占めています。

スマホの場合、さまざまなキャリアが法人契約可能なかけ放題プランを提供しています。さらに、ほとんどのキャリアのかけ放題プランは、通話相手の電話番号や通話時間に関する制限を設けていません。安価なかけ放題プランであれば、「1回5分間または10分間通話無料」といったパターンもあります。一方、固定電話のかけ放題サービスは、スマホのかけ放題プランほどの自由度はありません。

法人向け固定電話のかけ放題は「CTI」や「クラウドPBX」で実現

地球儀とケーブルでつながる複数のPC
「法人向け固定電話のかけ放題は「CTI」や「クラウドPBX」で実現可能です!」と言いながら机をダーンと叩く女性

現状では、法人向けの固定電話サービス単体でかけ放題を実現することは難しいでしょう。しかし、固定電話のみではなく、「CTI(コールセンターシステム)」や「クラウドPBX」も活用することでかけ放題を実現できます。ここでは、CTIとクラウドPBXの概要および定額プランについて解説します。

CTIとは

CTI(Computer Telephony Integration)とは、電話・FAXとコンピューター(アプリやソフトウェア)を連携させるシステムです。コールセンターシステムとも言います。CTIを導入することで電話番号と顧客情報のデータベースを紐づけられるため、「受電した際に自動で顧客情報をPC画面に表示する」といった動作が可能です。コールセンターや、架電・受電業務が多い企業で広く活用されています。また、CTIは、顧客情報を管理する「CRM」や後述の「PBX(クラウドPBX)」などの関連機能が統合されているサービスが多いです。

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、インターネットを経由して内線や外線を制御するシステムです。従来のPBX(電話交換機)をクラウドサービスとして提供しています。クラウド化したことでオフィスに大掛かりな機器を設置する必要がなくなり、手軽に導入できるようになりました。インターネットを介して電話機能を制御するため、代表番号への着信をスマホやPCへ転送できます。反対に、スマホやPCから代表番号を使った発信も可能です。さらに、拠点間や社員同士の内線通話を無料化できます。クラウドPBXを導入すれば、リモートワークや外出中でもすばやく電話対応を行えるようになるでしょう。

CTIとクラウドPBXの違い

CTI(コールセンターシステム)とクラウドPBXはどちらも法人向けであるうえ、電話に関連するシステムであることから混同されやすいシステムです。CTIとは、コンピューターと電話を連動させて、電話番号とアプリやソフトウェアを紐づけるシステムです。近年、クラウド型のCTIが多数登場しています。一方のクラウドPBXは、インターネットを利用して内線と外線を制御するクラウドサービスです。CTIの中にはPBX機能が実装されているサービスもあり、両機能を統合することで電話業務の効率をさらに高められます。

CTIやクラウドPBXの定額プラン

固定電話でかけ放題を実現するためには、定額プランのCTI(コールセンターシステム)やクラウドPBXの活用が効果的です。定額プランのCTIやクラウドPBXでは、自社から発信するアウトバウンドの通話料金が一定になります。サービスによって細かな料金体系は異なりますが、月額料金制が一般的です。こうした定額プランがあるCTIやクラウドPBXを導入することで、実質的にかけ放題を実現できます。

法人向け固定電話でかけ放題を実現する際のチェックポイント

チェックマークが書かれたメモやスマホ、ペン、キーボード

CTI(コールセンターシステム)やクラウドPBXによって固定電話のかけ放題を実現する場合、どのようなポイントに気をつけるべきなのでしょうか。具体的なポイントは、次の5つです。

CTIやクラウドPBXの機能

CTI(コールセンターシステム)やクラウドPBXには、多様な機能があります。サービスによって機能の差異があるため、自社の業務に必要な機能を持つサービスを選びましょう。CTIのよくある機能は、ポップアップ表示、着信振り分け、顧客情報管理、録音、IVRです。クラウドPBXは、外線・内線統御、保留・転送、共通電話帳、録音、IVRなどの機能があります。また、不要な機能が多いと無駄にコストが膨らむため、必要な機能を絞り込むことも重要です。

かけ放題の制限内容

定額プランがあるCTI(コールセンターシステム)やクラウドPBXでも、さまざまな制限が設けられているケースがあります。たとえば、1回あたりの通話時間に制限があるサービスの場合、長時間の通話が多い業務には不向きでしょう。通話の利便性を重視するのであれば、できる限り制限が少ないサービスがおすすめです。たとえば、CTIの「AmeyoJ」は通話時間や通話件数の制限がなく、長時間の通話も問題なく行えます。

インバウンド機能の有無

CTI(コールセンターシステム)を選ぶ際は、インバウンド(受電)に関する機能の有無を必ず確認しましょう。CTIはサービスによって、インバウンド向けまたはアウトバウンド(架電)向けに特化している場合があるためです。インバウンド向けのCTIは、受電効率や顧客対応の向上に適しています。対するアウトバウンド向けのCTIは、商談獲得率や生産性の向上を目指す場合におすすめできます。かけ放題だけでなく受電業務に役立つ機能もほしいのであれば、インバウンド・アウトバウンド双方の関連機能があるサービスを選択しましょう。

従量課金制の単位

かけ放題プランがあるCTI(コールセンターシステム)やクラウドPBXの場合、かけ放題適用外の通話には従量課金制を採用しているケースがほとんどです。サービスごとに従量課金の単位は異なりますが、分単位の課金が主流です。中には、「AmeyoJ」のように秒単位の課金を行っているサービスも存在します。かけ放題が適用されない通話料金のコスト削減も目指すなら、秒課金のサービスがおすすめです。

電話番号発行のサポート

CTI(コールセンターシステム)やクラウドPBXを導入する際、新たに電話番号を発行する場合があります。電話番号発行の手続きや回線手配のサポートが手厚ければ、スムーズな導入が可能です。なお、使用中の電話番号によっては、双方向番号ポータビリティを行えるケースがあります。双方向番号ポータビリティとは、現在使っている電話番号を変更せずに新たな通信事業者やサービスへ引き継ぐ制度です。電話番号を引き継ぐ場合、双方向番号ポータビリティへの対応状況の確認も必要になります。

法人向け固定電話でかけ放題するなら「AmeyoJ」

PCを操作しながら電話対応するオペレーター
雲に座り(クラウドイメージ)、PCの前で「法人向け固定電話でかけ放題するならAmeyoJにおまかせ」と言いながら電話をする女性

コールセンターシステム(CTI)の「AmeyoJ」は、法人の固定電話でかけ放題を実現できます。ここでは、AmeyoJの具体的な特徴を紹介します。

アウトバウンド無制限でかけ放題

AmeyoJは、かけ放題の「通話料定額プラン」を提供しています。かけ放題の対象となる電話番号は、以下の一覧をご確認ください。

  • 携帯電話:090、070、080
  • 固定電話:03、050、0ABJ

上記のとおり、AmeyoJのかけ放題の対象は幅広く、多くの電話番号へ定額料金内で発信できます。該当する電話番号であれば「発信1回あたり10分までかけ放題」といった制限はなく、無制限に電話をかけられます。

通信キャリアによる安定回線

AmeyoJを運営するアイ・ピー・エス・プロは、旧第一種通信事業者のアイ・ピー・エスから誕生した通信キャリアです。旧第一種通信事業者とは、自社独自の通信回線を保有する会社を意味します。通信キャリアが運営するCTI(コールセンターシステム)であるため、高品質な通話や強固なインフラによる安定したサービスを提供しています。仮にトラブルが発生しても、通信キャリアとして蓄積した技術やノウハウを活かしたワンストップのサポートが可能です。

PBXやCRM搭載のオールインワンシステム

AmeyoJは通話機能だけでなく、PBXやCRMなどの機能が搭載されています。PBXとしては、代表番号による発信、転送・保留、グループ通話、電待ち呼(あふれ呼)管理など、多数の機能を利用可能です。CRMは、顧客の基本情報やコンタクト履歴、商材情報といったあらゆるデータが集約されます。さらに、他社CRMとの連携や機能のカスタマイズ・オプション追加に対応しています。1つのシステムにCTI(コールセンターシステム)やPBX、CRMなどの複数の機能が統合されているため、それぞれ個別にシステムを導入する必要がありません。

受電・架電に役立つ機能による業務効率化

AmeyoJには受電や架電業務に役立つ多彩な機能が実装されており、業務の効率化が期待できます。たとえば、「ワンクリック一斉架電」を使えば、リストの電話番号へ一斉に電話をかけられます。一斉架電を行っても「プレディクティブコール」によって呼び出し音を待つ必要はなく、発信相手が応答してからオペレーターへ接続される仕組みです。さらに、「稼働状況モニタリング」「ウィスパリング」「通話自動録音」など、大規模なコールセンター運営にも役立つ機能が多数あります。

法人向け固定電話のかけ放題にはCTIやクラウドPBX導入を

法人向け固定電話は、一部の通信事業者がかけ放題サービスを提供しています。しかし、通話時間や通話相手の制限があるため、ビジネスでは使い勝手が悪いと言えます。

法人向け固定電話でかけ放題を実現するためには、定額プランのクラウドPBXやCTI(コールセンター)の導入がおすすめです。定額プランであれば架電の通話料金が変動せず、実質的にかけ放題として活用できます。例として、CTIの「AmeyoJ」にはかけ放題プランがあり、毎月定額で架電業務を行えます。

参考文献

①オペレーター負担軽減による対応品質の均質化

業務効率化(例:自動録音、稼働状況モニタリング)によりオペレーターの負担が減ると、心理的ストレスも軽減され、応対品質が安定します。
これは、カーネマンらが提唱した「判断のノイズ(noise)」の削減につながります。
「ストレス下や疲労状態では、人間の判断にばらつき(ノイズ)が増える。環境要因を整えることが判断の均質化に寄与する」
出典:カーネマン, D., シュン, O., シボニー, C.(2022). 組織はなぜ判断を誤るのか. 早川書房, p.53
結果として、顧客は一貫性ある高品質な対応を受ける可能性が高まり、顧客満足度が向上します。

②顧客対応を「選択アーキテクチャ」で最適化

AmeyoJのようにCRM、PBX、通話機能を一体化したシステムを導入することで、顧客情報と連携した対応が可能になります。これは、行動経済学でいう「選択アーキテクチャ(choice architecture)」の最適化です。
「人間は、多すぎる選択肢よりも“自分に合った選択肢”が整理された環境下で最適な選択をしやすい」
出典:セイラー, R., サンスティーン, C.(2009). 実践 行動経済学 ナッジ! 日経BP, p.82
オペレーターがCRMに基づく個別最適な対応を行えば、顧客は「自分に合った対応」と認識しやすく、ロイヤリティの向上に寄与します。

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