比較やランキングでは分からないコールセンターシステムの選び方(改訂版)
【最新情報・徹底解説】
比較サイトやランキングサイトでは分からない
「コールセンターシステム」選びのためのチェックポイントとは
比較やランキング情報に並んでいる多数のコールセンターシステムから一体どれを選んでよいのか、お悩みではありませんか? 自社で導入する際に本当に必要となる事柄に絞りこんでQ&Aを作成してみました。
最初に、何もわからないところから導入を考えようとする場合に浮かんでくる素朴な疑問についてまとめています。次に、実際に導入しようとした場合、具体的にどういったところをチェックしてゆかなければならないのかをQ&A形式で集めています。三番目に、コールセンターシステムの基本機能について、あらためて知っておくべき点について解説しています。そして最後に、導入前にもう一度確認すべき、見落としがちな点をまとめています。導入にあたって、少しでも参考になれば幸いです。
はじめての「コールセンターシステム」Q&A
何もわからないところから、これから導入を考えようとする場合に浮かんでくる素朴な疑問についてまとめています。
「コールセンターシステム」と呼ぶ理由
どうして「システム」なのでしょうか?
電話(回線)とコンピューターを連携させ、オペレーター業務の一部を自動化したり効率化しているからです。
電話回線とオペレーター担当者の間にコンピューターが入り自動音声ガイドなどが動作して、いろいろな処理や対応・回答を行っています。
そもそも「コールセンター」は、歴史的に見ると、その名の通り「電話」を通じて顧客と企業がやりとりをするための窓口としてスタートしました。規模や用途もさまざまで、今では、呼び名もいろいろです。
【コールセンター関連名のバリエーション(順不同)】
・カスタマーセンター
・カスタマーサポートセンター
・カスタマーサービスセンター
・コンタクトセンター
・テクニカルサポートセンター
・インフォメーションセンター
・ヘルプデスク
・お客様センター
・お客様ご相談センター
・お客様相談室
・ご相談窓口
それぞれ、少しずつ意味合いが違うところもありますが、総じて、オペレーター担当者が顧客からの問い合わせ、苦情、相談、購入申込などに対応・回答するものが「コールセンター」と考えてよいでしょう。
「コールセンターシステム」はこうした「コールセンター」の業務の一部にコンピューターを活用するもので、20世紀末頃から実際に使われはじめ、今では、銀行やカード会社の問い合わせや宅配便の再配達手続きの自動音声ガイドなど、いたるところで見かけるようになりました。
この種類のサービスは右肩上がりの成長を続けており、開発や販売を手掛ける企業数も増加の一途をたどっています。名の知れた大手企業もあれば、はじめて聞く企業もあり、どの「システム」を選べばよいのか、迷うほどになっています。
比較サイト、ランキングサイト
「システム」を選ぶのに「比較」「ランキング」サイトは参考になりますか?
もちろん、参考になります。ただし、それだけで、導入したい企業のベストマッチの「システム」を選ぶのは難しいかもしれません。
実際にネットで「コールセンターシステム」を検索してみると、「比較」「ランキング」「最新」「徹底」「選」「おすすめ」「第1位」「No.1」などの言葉の入った、コールセンターシステムのサイト(記事)がたくさん出てきます。
しかし、検索して上位に来ている記事だからと言って、必ずしもその内容が「正しい」わけでも「信頼が高い」わけでもありません。また「比較」をしているからと言って、必ずしも「中立」的で「公平」であるともかぎりません。
モノによっては(例えば、とにかく安くて、ある程度の評判もある製品を探している等)、それでも困らない場合もあることでしょう。しかし、少なくとも「コールセンターシステム」は、「比較」「ランキング」「人気」「口コミ」だけで選ぶことは、それほど多くないようです。
何よりも大事なのは、自社に必要な「システム」を選ぶことだからです。どのような条件下で、何のために導入するのか、どのような効果を期待しているのか、どのようなセキュリティを求めているのか、そして、どのくらいの費用を見込んでいるのか、等、導入側の都合が最優先です。「比較」や「ランキング」を見るのは、それらを明らかにしてからでも遅くはありません。
コロナ禍がもたらしたもの
2020年から2022年にかけて、コロナ禍をきっかけに、直接会って話をしたり、一堂に会しててミーティングを行ったりするよりも、メールのやりとりやZoomなどを活用した打ち合わせが増えたのではないでしょうか。ただし、その一方で、まだ面識があまり無い相手の場合など、名刺には電話番号とメールアドレスしか無いため、どちらかというと、電話でのやり取りを重視する傾向もあったように思います。したがって、コロナ以降のトレンドとしては、当然のことながら「DX化」が進むことは間違いありませんが、同時に、「電話応対」があらためて重視されつつあります。この流れに乗って、コールセンターシステムの導入も加速化しています。
導入の理由
「システム」を導入するのは大企業が中心ではありませんか?
そんなことはありません。中小企業でも、コスト削減や業務の効率化、顧客の満足度の向上、売上増加の効果などを期待して導入が進んでいます。
確かに、これまで「コールセンターシステム」は、主に大企業向けのもの、というイメージがついてきました。しかし、近年では「システム」の普及によって価格もこなれ、中小企業でも導入しやすくなっており、幅広く利用されています。
「システム」を導入するメリットの中で最も成果があがっているのは、何よりも、オペレーター業務の効率化です。定着率が低く、なり手も少ない状況下で、「システム」で補完することは、きわめて現実的な対応です。
具体的には、顧客管理システムと連携できるコールセンターシステムを活用することによって、顧客情報の確認や、電話応対内容の記入などの手間を省くことができます。また、通話中であっても顧客情報の閲覧・編集が行えるため、業務に要する時間が短縮できます。
オペレーターの側でも仕事がしやすくなり、ストレスが軽減されれば、定着率もあがり、その結果、コストの削減、売上の増加にもつながってゆくことでしょう。さらには、顧客満足度の向上にもつながります。
自社の信頼・評価の向上
コールセンターシステムを導入し、柔軟に電話対応が可能な体制を整えておくことで、顧客からの信頼度を高めることができます。メールやチャットなど、インターネットを通したサポートだけでは、スマホやパソコンを使い慣れていないユーザーや、今すぐにでも回答が欲しいユーザーにはとても不便に感じられます。「ネットに対応していれば大丈夫」という判断は、高齢者やスマホやパソコン操作が苦手な層を遠ざけてしまう要因ともなりえます。電話サポートは、依然として顧客満足度の向上につながる有効な手段と言えるでしょう。
初期導入に必要なもの
導入時には、最低限、何が必要なのでしょうか?
「クラウド型」であれば、インターネット環境とパソコン、ヘッドセットさえあれば、すぐに導入できます。サーバーはクラウドで運用可能です。
そのほかは、主にソフトウェアをパソコンにインストールするだけです。
サポート
システムのサポートはどうなっていますか?
サポートには、導入前後と運用がはじまってからのものがあります。サポートがどこで必要になってくるかは、製品によって違いがでてきます。
初めてシステムを利用しようと考えている場合には、特に、導入時にサポートが手厚いものがおすすめです。また、最初から契約内容や料金に導入時のトレーニングが含まれていると、運用がスムーズにゆくのでおすすめです。
稼働中には、思わぬアクシデントにすぐさま対応できるか、定期的なメンテナンスがあるのか、繁忙期など時期に応じたカスタマイズの対応があるのか、などが心配です。当初は予期していなくても、導入した後、運用してはじめて気づく問題がないともかぎりません。社内で迅速に対応・処理できれば良いのですが、難しいケースも少なくないでしょう。業務に関連する以上は、システムの問題は業務の遅れに直結します。的確な解決を目指すためには、充実したサポートを利用できるコールセンターシステムを導入することをおすすめします。
【 ほしいサポート例 】
・本稼働を行う前にスタッフが派遣され、現場の環境や状況をチェックする
・稼働前にオペレーターへのトレーニングが実施される
・分かりやすい操作マニュアルやトラブルシューティングが用意してある
・クラウド型の場合、電話回線をセットにして提供される
・導入時にヘッドセットや周辺機器なども割安価格で購入できる
・業務時間中のサポートに対応してくれる
役割に応じた認証システムと権限分担
コールセンターシステムには様々な機能がありますが、役割・権限に応じた認証システムがあると利便性が高まります。具体的には、オペレーターのほか、アドミニストレーターやマネージャーなど、役割に基いて、決められた機能のみ使用できるように事前に設定できるようになっている製品をお勧めします。
それぞれの役割や権限は、およそ以下のようなイメージです。
アドミニストレーター権限
新たにユーザーアカウントを作成し、役割を設定します。また、データベース、OS、管理者レポート等を管理し、他のITに関する設定をする権限を持ちます。いわゆる「管理人」です。
マネージャー権限
新しいキャンペーンや、受発信に関する設定ができます。
スーパーバイザー権限
キャンペーンのパフォーマンスを把握し、品質管理を担当します。また録音された通話記録を聞き、レポートの作成ならびに検証を行います。
オペレーター権限
実際の、顧客への対応を行います。システムにデータを入力したり、修正を行います。
基本機能
コールセンターシステムの基本機能はどのようなものですか?
主な機能としては、自動音声応答、着信呼自動分配、顧客情報管理、通話録音、自動呼出、モニタリング、レポーティングなどがあります。
コールセンターシステムの基本機能は、以下のものが挙げられます。
自動音声応答(IVR:インタラクティブ・ボイス・レスポンス)
着信呼自動分配装置(ACD:オートマチック・コール・ディストリビューター)
顧客情報管理(CRM:カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)
通話録音
自動呼出(オートコール)
モニタリング(顧客とオペレーターとのやりとりのチェック)
レポーティング
これらが「システム」の基本機能です。
「着信呼自動分配装置」の活躍
コールセンターシステムのとても便利な機能の一つであるACDをご存じですか? ACD機能は、顧客からの着信呼出のコールに対して、設定されたルールに従って電話オペレーターに自動的に分配する仕組みのことです。
たとえば、トピックごとにオペレーターの担当を決めたり、全員に均等にコールがゆくようにしたり、スキルに応じて割り振りをするなど、さまざまな対応が可能になります。
ACDには、以下の機能が含まれます
・直通社内電話(DID)
・ダイヤル番号識別サービス(DNIS)
・自動番号識別(ANI)
これらの機能を統合したものが「自動顧客/発信者識別」(ACIS)と呼ばれています。
製品による違い
製品による違いはどこにありますか?
安定性、用途、サーバー設置場所、導入規模、コスト、セキュリティ、サポート、会社の信頼度などが異なっています。またインバウンド(受話)に特化したものか、アウトバウンド(架電)に特化したものかなどにも分類されます。
「コールセンターシステム」は、今や世界中で利用されており、大規模な組織から小さな組織まで、新進企業から老舗まで、物販業界でも金融業界でもIT業界でも、さまざまなジャンルの会社に導入されています。
しかし、大半のシステムに共通しているのは、コンピューターにまず対応や処理を任せ効率よくオペレーター業務に橋渡しをする機能を複合的に内蔵しているという点です。
その意味では、基本となる機能に変わりはしませんが、細かなところでは、それぞれ強みや弱みや特徴などがあり、導入する側としては、共通点よりもどこに違いがあるのかに、強く関心が向けられていると思います。そのため、以下では、何よりも「違い」を強調してゆきますが、「違い」を説明するためにも前半では「共通点」を中心に説明をまずしておきたいと思います。
システム導入のためのチェックポイントQ&A
実際に導入しようとした場合、具体的にどういったところをチェックしなければならないのかをQ&A形式で集めています。
【用途】受信(インバウンド)/発信(アウトバウンド)
用途でどのような違いがありますか?
コールセンター関連業務は、顧客からの受信に対応する(=インバウンド)ことが中心となる場合と、顧客へ発信する(=アウトバウンド)ことを中心とする場合に大きく分けられます。いずれかの機能しかない製品もあれば、両方の機能を持っている製品もあります。
コールセンターシステムには、電話を受けることを中心とした機能を持つ「インバウンド型」と、営業やマーケティングなど、電話をかけることを中心とした機能を持つ「アウトバウンド」型があります。
「インバウンド型」は、主に電話受付や問い合わせなど、着信に対応するために利用されます。そのため、電話の着信があるとシステム画面に電話番号や氏名など、登録されている情報をただちに表示できる「ポップアップ機能」や、管理者がオペレーターの通話を管理できる管理機能などを持っています。一方「アウトバウンド型」は、こちらから電話をかけてやりとりを進める場合に用いられ、電話営業やテレアポ業務に効果を発揮します。また、電話によるアンケート調査などにもしばしば用いられています。システムから電話をかけ、つながった場合にのみオペレーターが対応する機能や、一斉に複数の番号に電話をかける機能などを持っています。いずれかの機能だけの製品もあれば、両方の機能を兼ね備えた製品もあります。
おそらくシステムの導入を考える際には、「インバウンド型」か「アウトバウンド型」か、いずれかのみのことを想定しているのではないかと思われます。しかし、このシステムの利点は、「インバウンド型」か「アウトバウンド型」か、いずれかのみではなく、その両方が使えることにあります。たとえばインバウンドの業務でも相手に折り返すことも多く、アウトバウンドの業務でもお客様からの折返しの問い合わせも少なくないからです。
逆に言えば、「インバウンド型」と「アウトバウンド型」とを別々に導入すると、両方の機能を持った製品を導入するのと比べると、下手をすれば倍の経費がかかってしまいます。しかも顧客データベースについては、それぞれのシステムとつなげなければならないので、かなり面倒なことになります。
基本的には1つのシステムの持っている2つの機能を両方使えるほうが、メリットが大きいと言えます。したがって、ここでは、「インバウンド型」と「アウトバウンド型」の両方を兼ね備えたコールセンターシステムをお勧めします。
【スケール(席数)】小規模/大規模
どのくらいの「席数」に対応していますか?
数席程度から1,000席以上まで、対応はさまざまです。「小規模」に強い製品もあれば、「大規模」に強い製品もあります。また、オールマイティーに対応できる製品もあります。
しかし、現状の規模だけにとらわれないことも重要です。会社規模やコールセンターの拡大が数年の間に考えられそうな場合には、ある程度、今後の見通しを考慮して導入を検討しましょう。そうすれば、増設の際に他のシステムへの移行に手間がかかる、費用が膨らみすぎてしまうといったリスクを避けることができるはずです。ただし、現実はそう簡単にはゆかないことも多いのも事実です。その場合、「クラウド型」を選んでいれば、そうした増減への対応が容易な場合があります。
「繁忙期にあわせて柔軟にオペレーターの人数を増減させたい」「コールセンターの拠点を順次拡大させていきたい」という場合、クラウド型であれば、管理画面から気軽にオペレーター数を増減させることが可能です。ハード・インフラ面の手間がかからないため、拠点の拡大も柔軟に進められます。
【コスト】導入時/運用経費
経費はどのくらいを見ておけばよいでしょうか?
初期導入時の経費と月額のランニングコストと両方を見る必要があります。一般的に初期導入に数十万円、月ごとの利用料に数十万円はかかるのが平均的な価格といえます。席数が多ければ百万円以上かかる場合もあります。全体的には昨今のクラウド化によって、価格も手ごろになり、性能も優れた製品が増えてきています。
クラウド以前の「コールセンターシステム」の料金は、決して安価ではありませんでした。サーバーを用意し、配線やPBXなどを用意するなど物理的なことにコストがかかったのも大きな理由です。しかしクラウド型ならばインターネット回線とパソコンがあれば基本的には運用ができるため大きくコストダウンできるようになりました。また、在宅からのリモート対応や複数の拠点に分散させた運用なども可能であるなど、状況に応じた対応ができます。
ただし、これは、コールセンターシステムに限った話ではありませんが、導入にあたっては何よりも費用対効果を考え、コストとして見合った金額なのかどうかを慎重に検討すべきでしょう。
したがって、価格だけで選ぶというのも危険です。効果もなく、かえって経費が無駄になることもあります。さらには、「無料」をうたうシステムもありますが、それは、実質的には「無料」ではない、と考えるべきでしょう。どんなシステムであっても、社外から導入するにあたっては、初期費用や月額料金が発生することは、避けようがありません。
最終的には、システムの導入により業務効率の改善や人件費等のコスト削減効果が得られれば、費用を支払うメリットは十分にあります。ただし、予算は会社ごとに異なりますので、自社の規模や予算などを考え、少しでも費用対効果の高いシステムを選ぶのが賢明ではないでしょうか。
秒ごとの通話課金でさらにコストダウン
通常、通話料金は「3分課金」が主流です。その場合、わずか10秒だけでも通話をすれば「3分」として課金されます。ランニングコストを気にする場合、この点に注意する必要があります。
そのため、3分ではなく、1秒ごとに課金するシステムを採用している製品もあります(例えば、固定電話からの受発信に1秒0.06円であれば、1分で3.6円となり、3分10円と比べるとかなり安く抑えられます。実際に導入している企業からは、平均37.5%もの通話コストが削減できたという声もあります。そもそも利用した分だけ課金されるほうが、合理的です。
【信頼度】国内製/海外製
販売している会社によって製品の信頼度が異なりませんか? たとえば、小さい会社より大きい会社のほうが、海外製よりも国産のほうが、より安心できるのではありませんか?
確かに、小さいよりも大きい会社、海外製よりも国産のほうが信頼できる、というのは心情的には理解できます。しかし、実際には、そう単純ではありません。
まず、起業時はどこでも最初は小さな会社からはじまります。また、大きな会社、歴史のある会社だからといって、必ずしもすべてが良いとはかぎりません。また、コールセンターシステムの場合、国産か海外製かによって比べるべきものがありません。
信頼できるかどうか、という視点にたてば、むしろ、ちゃんとした日本語になっているかどうかを最初に確認すべきでしょう。
「コールセンターシステム」には、日本語対応製品のほかに、各国語対応製品もあります。海外製でも日本語に対応していれば、特に問題はありません。
むしろ海外製はこれまで各国で展開してきた実績があり、さまざまなニーズに応えてきただけあって、むしろその実力はお墨付きです。その意味では、海外製か国内製かといった比較よりも、これまでの内外の実績と評価を見たほうがよいでしょう。そもそも、コールセンターシステムの多くは海外製です。
コンピューターのソフトウェアやアプリ、システムなどにおいては、「純国産」なのか、「外国産」なのか、といった区別は、ほとんど意味がありません。多くの製品はどこかの国で開発され、自国で使えるようにローカライズ、カスタマイズされています。
ただ、海外製の場合、製品サポートなど、何か困ったことが起こった時の対応が遅いのではないか、と心配になるかもしれません。しかし、海外製でも国内の販売代理店がサポートを行っていたり、実際の対応を日本のエンジニアが行っていたりしている場合もあります。表向きだけで判断しないほうがよいでしょう。
第三者機関や比較サイトの評価をみる
アフィリエイトや広告の比較サイトでどれを基準に選んだらいいか悩むことも多いかと思います。IT製品の比較・資料請求サイト「ITトレンド」が、利用ユーザーからの満足度が特に高い製品に対して「ITトレンドGood Product」を認定しており、コールセンターシステムに対しては「CTI部門」が設定されています。こうした第三者機関による評価を参考にするとよいのではないでしょうか。
音声通信サービス運用の実績とノウハウを持つIPSPROが御社のビジネス効率化をお手伝い致します。ご質問やご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
※土・日曜日、祝日、年末年始、ゴールデンウィーク期間中は翌営業日以降の対応とさせていただきます。
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TEL:03-3549-7626/受付時間 9:00~18:00
基本機能の特徴Q&A
コールセンターシステムの基本機能について、あらためて知っておくべき点について解説します。
顧客情報の照会
かかってきた電話の相手情報をどうやって知ることができますか?
着信番号をもとに顧客情報管理システム(データベース)から呼び出します。
コールセンターに電話がかかってくると、その番号をもとに、連携している「顧客情報管理システム」(CRM)の情報を検索し、すでに登録されている既存の顧客であれば、これまでのやりとりの履歴など、情報一覧をコンピューターの画面に表示させることができます。
もしもすでに社内で「CRM」が導入されているのであれば、このシステムとつなげて利用できるコールセンターシステムがありますので、そうした製品を選ぶべきでしょう。
「CRM」機能を使えば、サーバーで顧客情報を一括管理できることから、顧客対応業務全体の効率化につながります。対応した人間以外にも最新データを共有できるため、情報の更新漏れによるトラブルを未然に防ぐことができます。また、データの一元管理によって担当者の引継ぎもスムーズに行えます。
自動音声応答(IVR)
自動音声応答(IVR)システムの最大の利点は何ですか?
電話をかけるとコンピューターにつながり、自動音声の再生によって対応できることです。内容や目的に応じて分岐を用意し、番号を顧客に選択してもらうと、さらに次の分岐に進んだり、必要な情報(日時や時間、伝票番号、金額などの数字)の登録を行ったりできます。
オペレーター側からみると、相手がどういった要件で電話をかけてきたのかが分からないまま対応するのは、非常に不安です。自動音声の応答である程度内容や目的が絞り込まれていれば対応しやすくなります。また、内容に応じてオペレーターの負担も軽くなります。また、保留や転送といった操作も、画面上から行えるようになっています。
ほか、「IVR」は、いろいろな局面で役にたちます。たとえば、キャンペーンなどで一度に多くの電話がかかって場合です。コールセンターの席数は契約する際に決められていますが、オペレーターにつなぐ前の段階では、「IVR」が席数以上の入電に対応します。
また、業務上コールフローが複雑であったり、随時変えたかったりしても、そうしたカスタマイズに対応してもらえる製品やメーカーを選ぶといいでしょう。
顧客からの積極的な対応
自動音声やオペレーターによる対応は、導入側にとっても顧客にとってもメリットの高い仕組みですが、最近では、問い合わせやトラブルシューティング、取引、PINやパスワードの作成などについては、顧客が自分で解決することを望んでいることもあり、そうした「セルフサービス」に対応した製品にも注目が集まっています。
通話の記録と履歴情報
通話データやその記録はどのような形で保存されるのでしょうか?
通話データはデジタル録音され、やりとりの内容の要約はオペレーターがパソコンに入力オペレーター、デジタルデータとしてシステムに残されます。
サービスの向上と、オペレーターのスキル向上のために、電話でのやりとりについては、自動で録音されるのが一般的です。質の向上を目指して対応の良し悪しを評価するにも、また、トラブルが発生した場合にも、記録が残っていることから検証しやすくなっています。
また、その記録は着信履歴によってデータベースで一覧化されているため、これまでのやりとりを簡単にたどることができます。一度で終わらない対応の場合には、特に、進捗管理にも役立てられます。コールセンターから顧客に連絡をするときに、これまでの対応履歴を確認しながら画面上から電話をかけることができます。
録音は自動で行うことができ、手動での録音と違って手間がかかりません。録音された通話内容は、通常のコンソールから再生できるのはもちろんのこと、離れた場所でウェブ上から再生できる製品もあります。
使えるFAQ(よくある質問)機能
コールセンターシステムの「FAQ」機能は、これまで行ってきたオペレーターと顧客とのやりとりのなかから、知っておくと役に立つ対応事例をまとめておくためのものです。オペレーター全員に共有できるので、大変役立ちます。基本的な対応の仕方などをまとめてもよいでしょうし、逆に、難しい案件の対応の仕方や苦情のさばき方などを共有しておくのも、うまい使い方でしょう。オペレーターや現場にとって有用な情報を登録・保存・共有できると、より一層オペレーター業務が効率的かつストレスなく進むのではいでしょうか。
通話音質の劣化
通話中の音声や保存された音声データが聞き取りにくくなることはありませんか?
通話品質がどの程度であるのかについては、製品や利用する回線によって違っています。
クラウド型のコールセンターシステムはインターネット回線を利用して通話するため、一般的な固定回線よりもどうしても音声品質が落ちると思われがちです。また、自動録音装置上の記録は容量を節約するため音声データを圧縮して保存するのが一般的なので、元の音声のクオリティよりは下がってしまいがちです。
通話品質がどの程度であるのかについては、製品や利用する回線によって違っています。SIPと呼ばれるインターネット回線用の音声通信技術や、音声通話が得意な企業の製品、あるいは「音質はいいんですか?」という質問に明確に応えられる企業がすすめる商品が安心です。
着信と配分の自動化
オペレーターのスキルに応じて着信を振り分けることはできますか?
「ACD」(自動着信分配機能:オートマチック・コール・ディストリビューター)と呼ばれる機能を実装していると可能です。
「ACD」を使うと、かかってきた電話はすべて自動的に受信が行われ、コンピューターを通してそれぞれのオペレーターに均等に振り分けられます。そのため、電話を「とる/とらない」の不公平や特定のオペレーターに負荷がかかるといったような不均衡が生じにくくなります。
あらかじめいくつかの項目により設定しておいた各オペレーターのスキルにもとづいて着信を割り振ることができる「スキルベースルーティング」や「VIPルーティング」といった機能を搭載している製品もあります。自動応答のあとの分岐先にそれぞれ適切なオペレーターを割り振るなど、現場の状況に合わせてその都度柔軟に対応できるのが望ましいでしょう。
プレディクティブ発信
データベースからたくさん電話をかけた後、通話できるものだけをオペレーターが対応する機能を「プレディクティブ」発信と言います。セールス目的で多くの電話番号に自動的に発信した後、留守番電話やFAX、自動応答などを除いて、相手と通話できる発信だけをオペレーター接続できます。
「プレディクティブ」と一言で言っても、機能は商品によって違います。一斉発信はするけれど、呼び出し音を延々と聞かされ待たされつづけるものなどもあります。一斉発信したあと相手に接続してから、オペレーターにつながるといった製品を選ぶことをオススメします。
利用できる電話番号
これまで社内で使っていた「0120」や「0800」「0570」の番号をコールセンターシステムに利用できますか?
提供会社によって異なります。自社で使っている電話番号がそのまま使えるかどうかについては、事前に確認しておいたほうがよいでしょう。
電話番号も必要な数だけワンストップで提供されるかどうかも製品によって異なります。電話番号の発行元とコールセンターシステムの繋ぎこみも行っているかどうか、提供会社によって対応が分かれるところです。一括で相談できる会社からの導入をオススメします。
発信機能
顧客に応じた発信対応はどこまで可能ですか?
顧客情報に基づいて、地域、年齢、性別などでターゲットとなるグループを設定して発信したり、1人ひとりの特性に合わせて、発信の再試行の限度、発信の頻度、および未接続で切れた発信先への再架電回数などの設定ができる製品もあります。
アウトバウンドの場合、何はともあれ発信を大量に行います。留守番電話の自動音声が流れてきたり、FAXに切り替えられたり、通話中であったりした場合には、一度リストから外されます。また、そもそも登録されていた番号が間違っていた場合も、リストから外されます。相手が電話に出た場合のみ、オペレーターにつなぐことによって、時間や労力を最小限度に抑えられ、逆に、稼働率が最大化でき、生産性が向上します。
一度かけてつながらなかった場合は「ビジー」ととらえ、2時間はかけずにおいたり、マッチング率の高い顧客から順番に電話をするなど、より適切なタイミングで電話をかける工夫がなされている製品もあります。
また、キャンペーン管理の際には、複数のキャンペーンについて同時並行で、担当するオペレーターや指標を設定しつつ、一つの画面で管理することができる製品もあります。
レポート機能
運用状況を知りたいのですが、何か情報を見ることはできますか?
レポート機能を搭載していれば、各オペレーターのパフォーマンス、通話の詳細、通話履歴、コールセンター全体の稼働状況やシステム運用の様子などに必要なデータを見渡すことができます。
システムの稼働状況については、リアルタイムで今どういった様子なのかをとらえるものと、累積的な統計情報と、2つのパターンがあり、何をどのようにモニタリングしているのかは、製品によって、少しずつ異なっています。
前者では、オペレーターの通話状況や接続に失敗したコール、通話の結果などについて、グラフ等で表示させる製品があります。それぞれのオペレーターがどのくらい稼働しているのかを知ることができれば、業務改善につながります。
また、後者については、必要なデータやグラフが一画面に集約されていると、一目で状況が把握できてよいでしょう。現場から離れて、リモートでもウェブ上で状況の確認ができる製品もあります。
特定のグループや業務、ユーザーに応じてレポートがカスタマイズできたり、メンテナンスやバックアップの機能も備わっていれば、言うことはないでしょう。
導入前に見落としがちな事柄Q&A
導入前にもう一度確認すべき、見落としがちな点をまとめています。
機能比較の罠
各社製品の機能比較表をみれば、すべての機能がついている製品が一番良いということになりませんか?
各社製品には「強み」もあれば「弱み」もあります。「機能比較」は、あくまでもある視点から、ある意図に基づいてつくられたものですから、それが、必ずしも自社にとって望ましいかどうかは、判断できません。
「比較」情報が重要になってくるのは、基本機能がしっかりとしているか、導入コストはどうなっているかなど、本当に比較する意味のある点をチェックする場合です。しかし、中には比較表にそれ以外のものを含めて見せている場合もあります。
それが自社導入する際にほしい機能であれば、その比較にも意味がありますが、そうでなければ、かえって誤った選択をしてしまうおそれがあります。必ずしも「比較表」は万能ではないのです。
導入事例
導入事例は参考になりますか?
導入事例には、すでに導入している企業やその担当者が実名で登場していることもあり、とても説得力があることは確かです。大半の導入事例は、何を目指して導入したのか、どういう経緯で導入に至ったのか、また、導入した結果、どういった成果があがったのかについて、とてもリアルに語られているので、参考になると思います。
ただし、「機能比較表」と同様に、自社で導入するにあたって、条件や目的などが遠いものについては、少し距離をとって受け止めたほうがよいように思います。逆に、近いものについては、ある種のシミュレーションとして積極的に活用すべきでしょう。
海外への事業展開
これから海外進出する際に、国内と同じようにコールセンターシステムを活用したいのですが、どのくらい手間がかかりますか?
国外ですでに世界的に豊富な実績を持っている企業や製品であれば、日本語以外にも対応している場合が多く、ほとんど手間はかかりません。また、海外から日本国内の電話番号で発信・受信することも可能です。
コールセンターの拠点が海外にあり、日本の本社と連携がとれるようにしたい、という場合もあることでしょう。海外を含め拠点がいくつかに分かれても一括管理できるような製品を選べば、業務効率の向上が期待できるでしょう。また、各国に拠点がある場合、どうしても通話料が高くなってしまう傾向にあるので注意しましょう。
まとめ
以上のように、最新情報に基づいて、あくまでも自社導入する側の視点から、比較サイトやランキングサイトでは分からない「コールセンターシステム」選びのためのチェックポイントをQ&A形式で徹底解説しました。
最初の「はじめての「コールセンターシステム」Q&A」では、何もわからないところから導入を考えようとする場合に浮かんでくる素朴な疑問についてまとめました。
2番目の「システム導入のためのチェックポイントQ&A」では、実際に導入しようとした場合、具体的にどういったところをチェックしていかなければならないのかをQ&A形式で集めました。
3番目の「基本機能の特徴Q&A」では、コールセンターシステムの基本機能について、あらためて知っておくべき点について解説しました。
そして最後の「導入前に見落としがちな事柄Q&A」では、導入前にもう一度確認すべき、見落としがちな点をまとめてみました。
すでに「コールセンターシステム」は世界中で人気が高く、数多くの製品・ソリューションが存在し、活用されています。以上の内容は、そうした各社の製品情報を分析したうえで、はじめて導入する場合でも戸惑わないように、難しい用語をあまり使わずに、できるだけていねいに説明しました。また、どういった点に注意すべきか、導入のポイントとなるところを明示しました。
少なくとも、1)基本機能やサービスを網羅したオールインワンパッケージであること、2)自社に必要な最新機能や付加機能があること、3)運用の結果、費用対効果が見込め、コスト面に無理がないこと、4)セキュリティやサポートなど運営上の安全性や安心が充分にあること、などをクリアしていることが、何よりも大事です。
はじめから1社だけ決めるのではなく、じっくりと、いくつか候補を絞り込んだならば、各社に問い合わせてみたり、資料請求をしたり、実際に動き出してみることをお勧めします。