コールセンターでの電話対応Tips

クレーム電話がファンをつくるきっかけになることも
〜コールセンターでの電話応対の印象の重要性〜

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コールセンターでの電話応対の印象の重要性

コールセンターの持つチカラのひとつの例ですが「クレームで電話をかけてきた方を熱心なファンにしてしまう」という話があります。電話をかけてくる方は「わざわざ」なにかを伝えたくて行動に出ているという背景があります。しっかりと「声」を受け止めることでマイナスをプラスに変えたというエピソードは多くのコールセンターの「武勇伝」として残されています。
本記事では、どのようにしたら、お客様に良い印象を与えられるかといったアプローチを紹介させていただきます。

重要なことは、「求めている内容」×「望んでいるコミュニケーション」の理解

電話対応で重要なことは、トークスクリプトや話すテクニックよりも、まずは「顧客理解」です。そして、電話対応における顧客理解とは、顧客の「求めている内容」と「望んでいるコミュニケーション」を理解することに等しいです。もう少し分解してみてみると、求めている内容には「具体的にには解決策を提示してほしい」「謝罪をしてほしい」「話を聞いてほしい」などがあり、コミュニケーション手法としても、「接しやすさ」を重視するのか、「素早く淡々と進める」ことなのか「丁寧さを重視」することなのかなどに分類できます。主に、この「求めている内容」と「望んでいるコミュニケーション」の二つをしっかり理解してあげることで、顧客の満足度は必ず上がりますし、応対テクニックを付け加える際に効果的に使うことができます。

具体例

それでは、具体例を考えていきます。

シチュエーション ①

Aさん:30代ぐらいの男性
平日の12~13時の時間
話し方は快活で、早い

会話例

Aさん

ガスの利用手続きで電話させていただきました。できるだけ早く利用したいです。(早口)

オペレーター

お電話ありがとうございます。ガスのご利用ですね。ご住所とお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか。

Aさん

住所は東京都〇〇、名前は△△です。(端的)

オペレーター

ありがとうございます。それでは、ご利用にあたって立ち合いが必要なのですが、最短で今週の金曜日の午後が空いていますがご都合はいかがでしょうか。

Aさん

でしたら、今週金曜日の13時からでお願いいたします。(早い判断)

オペレーター

承知いたしました。そうしましたら、今週金曜日の13時に担当の者がうかがわせていただきます。本日はご連絡ありがとうございました。

【対応の方向性】
まず、顧客理解としては、平日の12~13時間からの連絡であり、 30代くらいの男性の声であることから、サラリーマンでお昼休憩の短い時間の中で連絡している可能性が高いと考えます。また、快活な話し方と要件を端的な回答をしていることから、手短に要件を済ませたいことを理解します。
以上より理想的な対応の方向性は、
必要な情報を簡潔にヒアリングして、
手続きをスムーズに進めていくこと

だと判断することができます。

シチュエーション ②

Bさん:女性
夕方のテレビで通販の番組を見て、
調理器具のお問い合わせをしている。
調理器具に興味を持ちつつも、
他のお客さんからの評判や商品の性能について聞きたい様子。

会話例

Bさん

さっき〇〇TVを見て、汚れが落ちやすいフライパンを見たんですけど、あれってほんとにあんなに汚れが落ちるんですか?(興味と心配)

オペレーター

お問い合わせありがとうございます。××フライパンに関してですね!番組通りに汚れをきれいに落とすことができますよ。

Bさん

そうなんですか?でも…お客さんからの評判はどうですか?(心配)

オペレーター

他に買われた主婦の方から少ない洗剤だけでもきれいになると評判も良いんですよ。販売の度にすぐに売り切れになる人気商品です!

Bさん

あら、そうなんですね。それなら安心しました。ぜひ、購入したいです。

オペレーター

ありがとうございます。それではまず名前と住所を…..

【対応の方向性】
夕方の17時で女性でTVの通販を見ている女性という情報から、主婦の方であることが推測でき、最初の会話でフライパンの性能に半信半疑ながらも興味がある様子が伺えます。このことから、お客様は「機能を信用するのに、安心できる材料が欲しい」ということ、不安要素もあるので「親切に」教えてほしいといったことがわかります。
そのため、対応の方向性としては、
接しやすい話し方で、相手に刺さるような商品の評判をお伝えして、
商品への不安感をなくすことが重要になります。

今回の対応では、相手が主婦であることを仮定して、他の主婦からの評判が良いことを先に伝えることによって、不安感を解消して購入に繋げることができました。

シチュエーション ③

Cさん:お年を召した男性
商品について使い方がわからないとお怒りの様子。
全く関係ない話を突然することもたびたびある。

会話例

Cさん

ワイファイっていうものの使い方が分からないんじゃが、どう設定したら良いんじゃろうか。最近のものは分かりづらい!(お怒りの様子)

オペレーター

Wi-Fiの設定ですね。それでは、〇〇××……

ー 15分後 ー

Cさん

上手くできたわ。ありがとう。ところでうちの孫が最近20歳になってなぁ。◇◇△△」(話を聞いてほしい様子)

ー 15分後 ー

オペレーター

お孫さんの話も聞かせていただいてありがとうございました。

Cさん

最初は設定が難しくて怒ってしまってごめんな。孫の話まで聞いてくれてありがとう。オペレーターがお姉さんで良かったよ。

【対応の方向性】
最初の会話ではCさんはWi-Fiの設定がわからず、クレーマーのようにお怒りの様子でした。そのため、前半では相手が高齢であることを理解した上で、分かりやすい説明で、素早く課題の解消を行いました。
その後、Cさんの不安が解消され、安心して孫の話をオペレーターにしますが、高齢であり、オペレーターのような年齢の人と話すのも珍しいので、ついつい自分の話を聞いてほしい様子が感じ取れます。
そのため後半では、相手が話したい内容を熱心に傾聴することを意識して、最後にはCさんがオペレーターに感謝するまでになりました。

対応できる「内容」×「コミュニケーション」の幅を広げる方法

対応できる「内容」「コミュニケーション」の幅を広げるには、問い合わせ内容に対応するためのフローチャートの作成コミュニケーションの種類を意識するなどを一度してみると効果的です。
応対のフローチャートであれば、注文・使用方法の質問・クレームなどに分けて対応方法を検討していき、コミュニケーションの面では、親しみ、丁寧、スムーズなどを意識して、相手に合わせてベストな方法を探っていくのが良いと思います。

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