コールセンター人材の教育Tips
コールセンター運営の秘訣
オペレーター教育はノウハウの共有にあり!
コールセンターを運営する立場において、人材の教育は悩みの種。
この記事ではオペレーターの効率的なOJTや研修の方法のヒントについて紹介します。
コールセンター人材教育の課題
・新人オペレーターが教育と実践の間に不安を感じている
・より短期間の教育で、新人オペレーターが独り立ちしてほしい
解決策は “スタッフが抱え込まない体制づくり”
CTI(コールセンターシステム)の機能を教育のために活用することで、より実務に近い実践的に新人オペレーターの教育を行うことができます。結果として、新人オペレーターの実務への不安を軽減、効果的な教育により短期間での教育が可能になります。
人材教育に有効活用できるコールセンターシステムの機能
CRM
顧客を管理するシステムで、顧客別やお問い合わせ種別毎等に情報を整理・参照することができる機能です。
聞き耳機能
顧客とオペレーターの会話を別のオペレーターが聞くことができる機能です。
通録機能
顧客とのやりとりを音声データとして録音する機能です。
トークスクリプト機能
あらかじめ登録しておいた営業の定型文(トークスクリプト)を表示する機能です。
ささやき機能
顧客とオペレーターが通話している際に、その通話を聞くことができ、オペレーターのみに向かって、音声を伝えることができる機能です。
おすすめの研修/OJTプロセス
新人オペレーターの教育のプロセス毎に、CTIの機能の活用方法を紹介させていただきます。
① データの収集・整理
実際に研修・OJTを行っていく際の前準備として、顧客の種類・お問い合わせの種別・対応履歴などをデータ化することが重要です。さらに進んで、『お問い合わせの対応フローチャート』や『模範的な対応例』などを抽出することができると、良質な顧客対応の土台ができます。このような方法を基に研修・OJTの内容を検討することによって、網羅的で効果的な知識・対応方法を学ぶことができます。
ここでは、CRM機能・トークスクリプト機能・通録機能を用いた、データ化の方法を紹介させていただきます。
CRMで情報の収集・分類・対応内容記録
CRMを導入して、顧客の種類・お問い合わせの種別・対応履歴を記録します。
トークスクリプト機能
CRMに保存している対応履歴情報などから、お問い合わせの種別毎に模範的な対応例を抽出して、対応の定型文(トークスクリプト)を作成します。ここで作成したトークスクリプトは、トークスクリプト機能を用いて、のちに電話での対応中に自動で表示することが可能になります。
通録機能
お問い合わせの種別毎に良かった対応を通話録音して整理しておきます。
後に、インプットの際に利用します。
② インプット
インプットの段階では、知識が実際の対応の際にはどのように使われているのかといった、実践的なインプットが重要になります。ベテランのオペレーターの対応の様子を観察することで、適切な言葉遣いや対応の進め方を実感できます。
実践的なインプットをすることで、自身がのちにオペレーターになるイメージもしやすく、アウトプットにもスムーズに繋がります。
ここでは、聞き耳機能と通録機能を利用したインプットの方法を紹介します。
聞き耳機能
聞き耳機能では、顧客とオペレーターの通話内容を聞くことができます。経験豊富なオペレーターの対応を実際に聞くことで、現場での知識の活用方法や知識にとどまらない言葉遣い・話の進め方などを学ぶことができます。聞き耳機能では、自分の声が入らない状態で通話内容を聞くことができるので、安心して研修でご利用できます。
通録機能
もともと通録機能は、お客様との過去のやりとりで齟齬が発生したときの対策として用いられるのが一般的な利用方法ですが、教育にも活用することができます。例えば、お問い合わせ種別毎に模範的な対応例を音声データで共有することで、理想の対応方法を知ることができます。また、自身が聞き耳機能で体験した対応をのちに復習として通録機能で聞くといったこともでき、習熟の手助けになります。
③ アウトプット
アウトプットの段階では、補助ツール・サポートに頼りながらも実践的な環境で徐々に自力で対応していくことが大事です。自走力をつけていくことで、実際に一人で対応するとなった際にも自信をもって対応することができるようになります。今回は、補助ツールとして、トークスクリプト機能とささやき機能の活用法を紹介します。
トークスクリプト表示機能
定型的な会話内容をトークスクリプトとして補助的に表示することで、経験の浅いオペレーターが円滑に実践に入るのに助けたり、ヒアリング項目の抜け漏れを防いだりするのに役立ちます。
ささやき機能
ささやき機能を利用して、経験豊富なオペレーターから新人オペレーターに指示等を出すことで、早い段階で実践的な練習を行うことができ、質の高いオペレーター教育を実現することができます。
④ フィードバック
アウトプットしたものに対して、フィードバックの機会を設けることで、より理想的なオペレーター像へと近づくことができます。ここでは、通録機能とささやき機能のフィードバックへの活用をご紹介します。
通録機能
通録機能を使い、自身が対応した音声を聞くことで、無意識の癖・対応の改善点を客観的に認識することができます。自分で認識して、改善
ささやき機能
主にアウトプットの行程とかぶりますが、ささやき機能を用いて、実践中に対応に関するフィードバックを端的に即時で返すという方法も効果的です。
最後に
今回、コールセンターの人材教育について、研修・OJTのプロセス毎にCTIの機能を活用する方法を紹介させていただきました。
CTIの各機能の本来の使用用途とは異なりますが、これらの機能を教育に活用することで、実際のコールセンターでのやりとりを実践的に学ぶことができます。